『未来』二〇一七年七月(786号)未来広場みらい・プラザ掲載作品

Date: 19/08/15 | Category: Essay, 短歌 | コメント »

さくさくと朝の敷石踏みゆけばいつよりか降るセシウムの雪

一面の処女雪根雪ひとの身もがれきも木々もふかく埋めて

ベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシュビッチ小さき人らに耳を澄ませと

新入生迎えるために磨かれし床は砂浜ひき潮のとき

教壇に向かうたび聴く海鳴りのごときがわれをずずんと立たしむ

芽キャベツのようにうすくひったりと心を閉ざす四月の少女ら

教壇を降りて語れば少女らは早春の波ゆったりと寄す

芯が回り芯の折れないシャープペン少女らの持つ小さき防具



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