『未来』二〇一七年八月(787号)未来広場みらい・プラザ掲載作品

Date: 19/08/15 | Category: Essay, 短歌 | コメント »

聖橋に続く昌平坂学問所 楷の樹しげり諸葛菜さく

昌平坂湯島坂越え会いに行く子の住む湯島坂多き町

天神の坂に女男あり男坂子はひとり上り物言わずゆく

久々に子に添い上る男坂湯島の梅の盛りを過ぎて

見えないと子の眼がこぼす暗闇にごぼんごぼんと湧き出すものあり

モビールの糸切れて飛ぶ白き鳩やさしさが鬱のはじまりだった

かつて子が探しそこねたイースターの卵がひとつ物語生む

絹糸のごとき雨降る春の午後龍髭菜のパスタが旨し



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