『未来』二〇一八年三月(794号)未来広場みらい・プラザ掲載作品

Date: 19/08/15 | Category: Essay, 短歌 | コメント »

側溝に猿が一匹息絶えているかもしれない師走の朝

迅速に走ってもなお走らねば冷たいものつかまれそうで

物言えば喉の奥から突き上げて尖った刃が出そうで黙る

タブレットに英単語打たせ英文を書かせて教師は何を教える

学校でほっとしたくて向かうのはトイレの奥のゆがんだ便座

太ももの皮膚が便座でぬくもってじんわり私の心が戻る

まっ白な壁と廊下に映る影われより人間めいて放課後

午前二時止まったままの鳩時計 鳩は何を吐いたのだろう



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